ここでは、理系の方向けに、企業の面接官が重要視するやりたい仕事と企業側の事業方針のマッチングを調べる手助けとして、さまざまなメーカーを取り上げ、いろんな事業情報を基に、その企業の特色と力を入れて取り組もうとしている事業（仕事）が何かを紹介してゆきます。
今回は旭化成を取り上げます。
旭化成は三菱ケミカルの縮小版ともいえるケミカル事業、繊維メーカーである帝人・東レの医療事業の中核的な事業領域を備えたヘルスケア事業、繊維メーカーであったノウハウが生かされた住宅事業、エレクトロニクス事業と4つの領域で事業が構成されています。
旭化成の特徴は、市場規模の大きさ及び成長性、競争環境の低さ、現存事業からの競争優位性を見極めて、市場が拡大する前の早い段階（ニッチな市場）で新規事業に参入を始めるていることです。これにより、事業参入のハードルが下がり確実に売上を確保することができています。旭化成では初期から存在していた繊維事業を除き、現在の4の事業すべてにおいて売上基盤が拡大する10～20年前に事業を開始し、時間をかけて事業を拡大させています。これにより各事業十分な事業ノウハウを持った人材育成ができていると考えられます。一方で、これまでとは異なり、近年2012年に米国のゾールメディカルを買収し、ヘルスケア事業の中にクリティカルケアというAEDのように人体に直接取り付けて治療を行う医療機器製造事業に早期参入を図ろうとしています。また、十分な事業の多角化を図っていることから、縮小してゆく事業に関しては、営業利益が確保できる規模に速やかに縮小させる体制が取れていますので、この企業に勤めたいと考えている方は、縮小してゆく事業とこれから拡大してゆく事業を十分に見極めておかなければ、入って身に着けていた事業ノウハウが、一瞬で事業が縮小し別の事業に移ることで無駄になってしまうかもしれません。
旭化成の成長戦略は、以下のように、「Environment＆Energy」「Mobility」「Life Material」「Home ＆ Living」「Health Care」の５つの需要増加を見込んで各事業の拡大を計ろうと進めています。
代表的な取り組みを以下で紹介します。
ケミカル事業は、自動車の軽量化と日常生活の質の向上に合わせた需要に向けて、市場の拡大を進め、基盤素材である国内のエチレンプラントによる製造規模は、他の化学メーカーと同様の方針で、人口減少による国内需要が縮小してゆくことから、縮小してゆく方針です。その一環として、三菱マテリアルとのエチレンプラントを統合も行っています。事業内容は三菱ケミカルや住友化学とほぼ同じ内容を手掛けていますが、海外進出や事業規模は、それら化学メーカーに比べると小さなものになりますので、市場のニーズが縮小するのに合わせて速やかに規模を縮小してゆくと考えられます。
ヘルスケア事業は、東レのように繊維事業の技術から透析などのフィルター事業へ発展させている医療機器事業がある一方、帝人のように薬品事業も手掛けています、事業内容は、東レと帝人の事業を合わせて割った中間的な存在にあたります。2012年にクリティカルケア事業を立上げ、人体に直接取り付けて治療を行う電気機器の製造事業を所有することで、医療品販売の多角化を図っています。今後は、医療市場の規模拡大に合わせて全体的に事業シェアを拡大させてゆく方針です。
住宅事業ではニーズが限られているような、都心部を中心として災害に強く、あらゆる快適さを追求した高付加価値の高い、資産持続性のある住宅の建設事業で、堅実かつ安定的に利益を確保する方針です。
もっと、この会社の事業方針を知りたい方は、会社HPのIR資料を見るとより詳細が知れると思います。また、実際の仕事内容について、どのようなことをするのか知りたい方は、最終的に企業を訪ねるのがベストですが、それによって企業に第一印象を持たれるのが怖い、まだ、そこまでしたくないという方は、転職エージェント経由で仕事内容を教えてもらう方がよいと思います。紹介してもらう目的ではなく、個人では聞きにくい情報を企業に聞くためのツールとして利用してみてはいかがでしょう。
理系（機械・電気電子・情報）出身の希望者は
学歴を活かした就職先をご紹介しています。仕事内容を知るところから時間をかけて適正な仕事を知りましょう。
以前プラントエンジニアの仕事内容を記載した記事を作成していますので、こちらもご覧いただければと思います。
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