映画で作業員の方たちが行っていたバルブの開閉作業と原子炉の構造について紹介したいと思います。これから映画を見る方も、見終わった方も、構造を知ればより面白さが伝わることでしょう
映画で、地震が発生した直後にRCIC起動と言っていたと思います。
RCICは2号機の原子炉の緊急時の冷却システムのこと指しています。以下に1号機・2号機の緊急冷却システムは以下のようになっています。
1号機・2号機とも圧力容器内の蒸気を利用してポンプを動かし、圧力容器内の水を循環させます。
映画では、所長の役をしていた渡辺謙さんが、消防車で水を送り、圧力容器を冷やすと言っていました。
どうして、その必要があったのか説明します。
緊急時の冷却システムが動き出すと、初期では、復水貯蔵タンクの冷たい水が一気に圧力容器内に入り込みます。圧力容器内の蒸気は急激に冷やされ、内部の圧力が急減します。すると、圧力容器の蒸気で回していたポンプは動かなくなり、圧力容器に水が送られなくなります。こうなると、再び圧力容器の圧力が上昇するまで、圧力容器内では水が蒸発して水位が減少し続けます。この時、圧力容器内の温度は低いものの、水で冷却されない核燃料棒は溶けてしまいます。いわゆるメルトダウンです。これを防ぐために、圧力容器に水を注ぐ必要があったのです。
直長の役を演じていた佐藤浩市さんが筆頭となって、圧力容器に水を注入するため、最初のバルブを開けていたのが以下のルートです。
給水口から消防車等で水を送っていました。
続いて、所長(渡辺謙さん)と直長(佐藤浩市さん)が連絡を取りながら、ベントと言っていた作業を説明します。
ウォーターウェルベントといわれる方法で、圧力容器の圧力は上がりすぎると、サプチャーと呼ばれる円状の容器の水の中に蒸気が流れます。このサプチャーから煙突に蒸気を放出することをベントと言っています。
映画では、サプチャーから煙突までのルートのMO弁は、暑い環境ながらもなんとか開けましたが、AO弁は、・・・でしたね、、、
映画の最後の方で、本部から「SR弁開けろ」、「頼むからドライウェルベント早くしてくれ」と嘆いてるシーンがありました。
「SR弁開けろ」とは、SR弁が熱で開いてないので、開けてウォーターウェルベントを行ってくれという意味で、以下の系統で圧力を逃すことです。
「ドライウェルベント早くしてくれ」とは、圧力容器から直接でいいから圧力を逃がしてくれということで、以下の系統で圧力を逃すことです。
そして、映画の最後に圧力を作業員が確認し、「SUPPR PRESS」と「DRY WELL PRESS」という2つの表記のゲージを映すシーンがありました。
「SUPPR PRESS」=サプチャー容器の中の圧力
「DRY WELL PRESS」=圧力容器の中の圧力
どうなっちゃったんでしょうか、、、見てない方は、是非、ご覧になってください。
コメント
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