ここでは、誘導機内で起きている物理現象を、時間軸で見た発生メカニズムとして解説します。
まず最初に、固定子巻線がリアクトルの役割を果たすため、一次電圧に対し90°位相が遅れて界磁電流I0が流れます。
続いて、アンペールの物理法則によって、固定子巻線に磁界Φが発生発生します。
固定子巻線に発生した磁束Φの増加を食い止めようと回転子導体では、反発方向に磁束が発生する向きに起電力V2が発生します。
回転子導体では、前述のV2によって二次電流I2が流れます。この電流は渦上に電流が流れるため、リアクトル成分として、位相が遅れが生じます
二次電流I2に比例して磁束Φに反発する磁束が発生しようとします。これが誘導機のトルク(回転力)を生み出します。
トルクの大きさによって二次電流I2の大きさは変化し、その電流を回転子に流すために、固定子側に全く同じ大きさで、二次電流I2を打ち消すためのトルク電流I1が逆の位相で発生します。
したがって、一次側には、最初に磁束Φを発生させた界磁電流I0と二次電流を発生させるためのトルク電流I1の合成した大きさの電流が流れます。これが、誘導機内の物理現象のメカニズムになります。
ここまでの流れ以下に記載します。
参考にした書籍
誘導機・同期機器ともにかなり詳しい範囲まで記載されています [改訂版]徹底解説 電動機・発電機の理論
個人的にお勧めの書籍
数式が少なく、絵での解説が多いため、初心者にとって物理イメージから入りやすい本です。最新版 モータ技術のすべてがわかる本 (史上最強カラー図解
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