電気を学ぶ際、数式から入り理解に苦しむ方に、手助けとなるよう、数式にできるだけ触れず、本来の正しい物理現象のイメージを図でわかりやすく紹介します。
地絡方向継電器は、どうして故障回線がわかるの?
地絡方向継電器は、三相三線式の三相の合成電流(零相電流Io)と、中性点の電位(零相電圧Vo)との位相差で地絡している回線と地絡していない回線の判別を行います。ここでは、地絡している回線と地絡していない回線の位相差の違いについて、テブナン等...
地絡時 電圧はどのように変わっていくの?
地絡時の対地間電圧は、発電機側でケーブルの相電圧・線間電圧を維持しようとするため、地絡したケーブルの相の電位が下がった分だけ、中性点電位とその他の相の電位が移動してゆきます。
三相3線式の2回線で送電している健全な回路では、...
CT(計器用変流器)を開放状態にすると なぜ 高電圧が発生するの?
CTの二次側を開放状態にすると鉄心内で磁気飽和を引き起こし、鉄心内部の急激な磁束変化により二次側の巻線に高電圧が発生します。ここでは、高電圧が発生してしまうまでの物理現象のメカニズムと、発生する高電圧の大きさは機器のどんな特性によって決ま...
電気の物理現象をイメージで理解しよう
電気設備に使用される物理現象
・・・周波数、無効電力、コンデンサ・リアクトル、電気・磁気双極子、表皮効果、エントロピーなど
誘導機
・・・基本動作原理から始動特性と改善方法(比例推移、一次電圧制御、渦流制...
誘導機の二次抵抗を用いた制御(渦流制御と一次電圧制御)逆回転編(制動制御)
誘導機では、電車やクレーンといった振動や環境の悪い場所では、制御部品構造が単純で頑丈な構造が求めらるとき、二次抵抗器を用いた制御が広く一般的に使用されています。ここでは、前回に続き、二次抵抗を誘導機に使用した比例推移による制御を「渦流ブレーキ」もしくは、「一次電圧制御」と組合わせた制御方法における制動(電車における減速、クレーンにおける巻下げ)の仕組みについて紹介します。
誘導機の二次抵抗を用いた制御(渦流制御と一次電圧制御)正回転編
二次抵抗を誘導機に使用した比例推移による制御を「渦流ブレーキ」もしくは、「一次電圧制御」と組合わせた一般的な制御方法の仕組みと原理について紹介します。
電圧を均等化するバランサってどんな仕組み?
単相3線式で、200Vの電圧を2つの100Vにわけて供給する配電方式では、電圧の不平衡を防止するため、バランサを使用しています。バランサの原理と分配される電流の計算方法を解説
フェランチ効果ってどのようにして起きる現象?
フェランチ効果の原理と原因、発生メカニズムについて解説。
単相2線式、単相3線式、三相3線式、三相4線式、どうして配電方式を使い分けてるの?
単相2線式、単相3線式、三相3線式、三相4線式、配電方式の使い分けと各配電方式が使われる理由について解説
ディープラーニングの仕組みってどうなっているの? 5回目(回帰・分類のさまざまな手法)
教師あり学習で使用される回帰・分類の分析を効果的に行うさまざまな手法について紹介
ディープラーニングのアルゴリズムってどうなっているの? 4回目(畳込みニューラルネットワーク)
大量のデータ集合体である画像をニューラルネットワークで認識するうえで、コンピュータの演算負荷が大きくかかってしまうため、画像情報をできるだけ少なくして演算を行うための方法である「畳込みニューラルネットワーク」で行う画像圧縮処理の仕組みについて解説。
ディープラーニングの仕組みってどうなっているの? 3回目(教師あり学習:勾配降下法と誤差逆伝搬法)
ディープラーニングの学習を行って正しい回答予測にたどり着くまでのプロセス(アルゴリズム)について解説。
ディープラーニングの仕組みってどうなっているの? 2回目(教師あり学習:分類編)
ディープラーニングで答え(教師データ)を決めて行う学習の仕組みについて解説。分類分析手法と仕組み
ディープラーニングの仕組みってどうなっているの?1回目(教師あり学習:回帰編)
ディープランニング(深層学習)で答え(教師データ)を決めて行う学習の仕組みについて解説。回帰分析手法
変圧器の励磁突入電流ってなぜ起きるの?
電源投入時に変圧器で励磁突入電流が流れる仕組みについて説明
モータの制御 V/f制御とは
インバータによるモータの回転速度制御方法で一般的に使用されるV/f制御は、ただ周波数を変化させて回転数を変える場合とくらべ、モータ磁気飽和を考慮しているため、発揮できるトルクが大きいのですが、その制御の考え方を解説します。
インバー...
インバータの交流波形の作り方(PWM)
インバータの交流波形はモーターのコイルにおけるリアクトルの影響を利用して作り出されています。直流電源とコイルを繋いだ回路を入り切りすると、リアクトルの性質(※)から電流は以下のように弧を描くような波形を作ります。
※リアクトルの性質...
誘導機のベクトル制御の仕組み
入力電流(一次電流)を励磁電流とトルク電流に成分を分けて制御するのがベクトル制御です。ここでは、誘導機内の物理現象で励磁電流とトルク電流がどのように発生しているかに着目することで、励磁電流は入力電圧、トルク電流は励磁電流、回転速度と回転...
誘導機の原理 4回目(始動力率が低い理由)
ここでは、始動時に誘導機の力率が低く、トルクが低下してしまう理由について説明します。
前回3回目では以下のように時間軸と空間軸で波形を比較した場合、V2・I2は1/4周期(90°)の位相差があり、磁界Φと二次電流I2が重なったとき、...
誘導機の原理 3回目(位相制御のための理解)
ここでは、二次抵抗制御やベクトル制御といった電気の位相を変えることでトルクを制御する原理を理解するために必要な、空間軸と時間軸で見た電気の物理現象のずれについて紹介します。
参考書には、「時間と空間に隔たりがあるため、ベクトル図...
誘導機の原理 2回目(物理現象のメカニズム)
ここでは、誘導機内で起きている物理現象を、時間軸で見た発生メカニズムとして解説します。
まず最初に、固定子巻線がリアクトルの役割を果たすため、一次電圧に対し90°位相が遅れて界磁電流I0が流れます。
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PID制御の仕組み 5回目(位相の遅れ進み)
今回は、これまでの内容とは少し異なり、制御工学の学習をする方向けに、制御工学の観点におけるPID制御の考え方を紹介します。
PID制御についてネットや書籍で仕組みを理解しようとした方は、「I制御は位相を遅らせる性質がある」という言葉...
PID制御の仕組み 4回目(計算式)
3回目まで、PID制御の仕組みについて説明してきました。今回は、PID制御が、電子機器における制御で、どのような利点があり、なぜ広く使用されているのかお伝えしたいと思います。
まず、ここまで実施してきたPID制御の仕組みを計算式に表...
PID制御の仕組み 3回目(PID制御)
前回のI制御に続いて、D(微分)制御の役割と特性について紹介します。この説明をご覧になる場合は、PID制御の仕組み1回目(P制御)から順にご覧になることをお勧めします。
PI制御では、一定のオフセットに対し、一定の積分操作量(I操作...
PID制御の仕組み 2回目(PI制御)
前回のP制御に続いて、I(積分)制御の役割と特性について紹介します。この説明をご覧になる場合は、PID制御の仕組み1回目(P制御)から順にご覧になることをお勧めします。
I制御はオフセットの解消を目的とすると、他のさまざまなPID制...
PID制御の仕組み 1回目(P制御)
今回から5回に分けてPID制御について説明を紹介します。PID制御は、あらゆる産業機器でよく使用されるものの、その仕組みは非常に奥深く、制御対象と操作ロジックとの関係性の本質を理解し、パラメータを正しく扱える技術者は、非常に限られ、貴重と...
エントロピーとは?なんのための指標?
温かい状態のものを冷やす(温度を下げる)と、そこにあった熱は外に放出されたことになります。温度の上げ下げは、熱エネルギーが移動する方向性を示しています。では、温度を下げたとき、どのくらい熱エネルギーが放出するのか?これを示すのが、エントロ...
%インピーダンスとは?どのような扱いのものなの?
%インピーダンス(%Z)は、遮断器を設置するとき、遮断に必要な電流の大きさを計算するために使われています。逆数で短絡比(=短絡電流÷定格電流)というわかりやすい指標があるのに、なぜ必要あるのか不思議に思った人もいるかもしれません。必要とさ...
無効電力とは何者?有効電力との関係は?
電気の需要の大部分はモーターで消費されます。無効電力とは、モーターで電力を動力に変換するうえで、発生してしまう力に変換されない磁気エネルギーのことを指しています。
コイルに電流を流すと磁束が発生します。この磁束を利用すれば、以下...
誘導機の回転原理 1回目(基礎)
回転磁界が理解できている前提で誘導機内部の回転軸がどのように動くか説明します。
次のように、コイルに電流計を連結した状態で、磁石を上下に動かす場合、ファラデーの法則(右側の式)とオームの法則(左側の式)の現象が同時に発生しま...
電気双極子・磁気双極子?とは?なぜ原子は+-、SNと極性を持つの?
原子の中の動きは、太陽系の惑星にとてもよく似ています。地球が毎日自転をしながら太陽の周辺を一年で一周するのと同じように、
原子では、電子が電子スピン(自転)をしながら、陽子と中性子で構成された原子核の周りを周回しています。
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コンデンサとリアクトルで位相差が生まれる理由
基本的なことですが、意外と正確に理解できている人は少ないのです。ぜひ、正確な物理現象を知ってください。
★コンデンサ
赤は電圧、黄色は電流(電荷の移動量)
コンデンサは、電荷が平板に密集・分散することで電...
周波数・電圧・電流・電力とは?どんな存在?どんな関係性?
★周波数
周波数とは一定速度の回転を生み出すことで、発生する振動のことです。
★三相交流
三相交流とは:一つの周波数では回転方向が定まらないため、三つ重ねる必要があります。その回転...
物理現象から理解が深まる変圧器の等価回路の成り立ち
変圧器の等価回路は変圧器で起きる物理現象の集まりで出来ています。ここでは変圧器で起きる物理現象が等価回路のどの位置に対応するかひも解いて、等価回路を理解できるように紹介しています。
①鉄心で起きる物理現象
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変圧器のベクトル図の作り方
表皮効果
電流が発生する磁束が互いに干渉しあうことで、本来流れる電流の量が減少してしまう現象です。
以下の左の図ように、磁石を導体の輪が重なった上部に近づけたとき、電磁誘導によって発生する電流は磁石に近い導体ほど多く流れます。
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同期機器の力率特性
同期電動機は、電力が入力されて回転軸から機械出力を発するため、電力の入力位相である回転磁束が先行してベクトル位相が描かれる。その結果、以下のベクトル図となる。
端子電圧は電動機の入力電力、負荷電流は軸...
同期機器の力率調整(V曲線)の仕組み
ここでは同期機の界磁を調整することで力率調整が行える理由について説明します。
同期機器の起電力Eのは、固定子巻線で磁軸Φの磁束が変化しファラデーの法則により発生する。
起電力Eの大きさは、磁軸Φ大きさで決定する。つまり、磁軸Φ...
同期電動機・発電機のベクトル図の違い
同期機の電動機と発電機は何故ベクトル図が違うのか、機械的動作構造とベクトル図の関係性から理由を解説